似せてって言わないで!
イラスト・マンガの著作権侵害・炎上について
(お知らせ)
2023年11月24日
カテゴリ:
はじめに
現在のイラスト・マンガ制作は、著作権侵害だけでなくSNS等での「炎上」も注意する必要があります。「〇〇に似せてほしい」と依頼した作品により大炎上となる可能性がありますのでご注意ください。
「ちび○子ちゃんに似せて作ってほしい」「ワンピ○スに似せて作ってくれ」みたいに、「似せて」とお客様からご依頼されることってすごくあるんです。
あ、私もそう依頼することが多いかも。マンガ家先生がイメージしやすいかなと思って。
そうですよね。こちらもご希望がイメージしやすいです。
ところが、他社の事例ですが似せすぎて著作権侵害や炎上に発展したものもあるんですよ。
ところが、他社の事例ですが似せすぎて著作権侵害や炎上に発展したものもあるんですよ。
なんとー、良かれと思ったことが、リスクに発展するだなんてぇー。
リスクなく作るには「ちび○子ちゃん」や「ワンピ○ス」の作家さんに依頼することですが、当事務所にご依頼ということは「そっくりに似せてほしい」訳ではないんだといます。 そこで「似せて」のレベルがどのくらいかでリスクの度合いが変わってくるということを、以下の表でご案内します。
ほっ、ちょっと安心しました。どのレベルで依頼したらいいのか参考にします。
似せ方のレベルとリスク
元のイラスト | レベル4 | レベル3 | レベル2 | レベル1 |
---|---|---|---|---|
そのまま使用 トレパク |
オマージュ パロディ |
作風を似せるが 多少変える |
系統や雰囲気を 参考にする |
|
安全度 × |
安全度 × |
安全度 ×に近い△ |
安全度 ◎ |
|
著作権侵害 炎上しやすい |
著作権侵害 炎上しやすい |
部品や色など類似点などで 著作権侵害として微妙 炎上の可能性あり |
著作権侵害になりにくい 炎上しにくい |
どう依頼するといいのか?
前の表では、お客様のご希望が「レベル2~4」だと要注意です。
お客様の会社自体が炎上したり著作権侵害で訴えられる可能性があります。
レベル2でのご依頼が一番多く制作側としても困ってしまいます。
お客様の会社自体が炎上したり著作権侵害で訴えられる可能性があります。
レベル2でのご依頼が一番多く制作側としても困ってしまいます。
えー、じゃあどうしたらいいんでしょうか。「あの感じ」のイラストにしたいんですが。
ということは「似せてほしい」のは作風をそのままマネしてほしいわけではなく、「あの感じ」という系統や雰囲気を取り入れたかったということですね。
そうすると「レベル1」になりますね。
そうすると「レベル1」になりますね。
「あの感じ」を依頼したい場合は、
●基となったイラストの「どういうところ」が気に入っているのか伝える方法
例:「ホワッとした筆のタッチ」「ビスケットの擬人化」「かわいい王子様の感じ」など
●複数の作品を提示して共通点を伝える方法
例:「ちび○子ちゃん」「クレ○ンしんちゃん」「ドラ○もん」などの共通した「日常のホッとした雰囲気と、柔らかいタッチ」など
これらをお伝えになると「あの感じ」は残したまま、オリジナルの絵になり著作権侵害のしにくく、炎上もしにくくなりますよ。
●基となったイラストの「どういうところ」が気に入っているのか伝える方法
例:「ホワッとした筆のタッチ」「ビスケットの擬人化」「かわいい王子様の感じ」など
●複数の作品を提示して共通点を伝える方法
例:「ちび○子ちゃん」「クレ○ンしんちゃん」「ドラ○もん」などの共通した「日常のホッとした雰囲気と、柔らかいタッチ」など
これらをお伝えになると「あの感じ」は残したまま、オリジナルの絵になり著作権侵害のしにくく、炎上もしにくくなりますよ。
なるほどぉー。どういうところが気に入っているか、共通点はどこかですね。やってみます。
※当記事は参考の範囲でご覧ください。著作権についての詳細は弁護士へご相談ください。
過去の炎上騒動
参考になる他サイトで掲載されていた著作権や炎上に関する事例をご紹介します。
「イラストが似ている」法的にアウトなラインはどこ? 海老澤美幸弁護士に 聞く(2023/6/18)
イラストレーターのたなかみさきさんの作品に似ていると炎上し内閣府がポスターの使用を取りやめた。
法律的には、タッチや作風などのスタイルやアイデアそのものは、著作権の保護の対象にはならない。
SNSでは「たなかみさきさんの絵だと思っていた」「字のフォントもそっくり」といった声が続出していた。
(出典:弁護士ドットコムニュース https://www.bengo4.com/c_18/n_16135/)
「自民党の改憲ポスター」にパクリ疑惑?著作権弁護士の見解は……(2020/1/11)
noritakeさんの作風を参考に描かれた自民党の改憲ポスターは、
著作権侵害としては部品レベルで違っていたり表現しているものが違うことなど「アイディア」としての作風は侵害になりにくい。
SNSでは、自民党を「パクリ」「翻案権侵害」「業務妨害」「信頼できない」というコメントで「炎上」により不信感を持たれた。
(出典:BUSINESS INSIDER https://www.businessinsider.jp/post-205613)
2018年の「パクリ炎上」を振り返る。カメ止め、美しい顔など著作権弁護士が徹底解説(2018/12/18)
札幌市の広報誌で『ベルばら』オスカルをもじった「オシカル」というキャラクターのパロディを本家池田理代子さんが抗議した。パロディ側は訴えられたら敗訴する可能性が高い。
(出典:BUSINESS INSIDER https://www.businessinsider.jp/post-180641)
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